ギヨーム・ミュッソ 2

『作家の秘められた人生』も面白い。小説家主人公ものは概ね好みだが、前半はなぜか断筆してしまった人気作家の謎を、若い男女が解こうとする…というありがちな展開。ところが探偵役の一人が殺されてしまい、そこからストーリーはジェットコースター。そんなのありかよ、というとんでもない結末へと突き進む。

まあ構成としてはやや疑問なところもあるが、この発想の無重力感は快感でもある。

 

『パリのアパルトマン』はイマイチ。男女が画家の遺作を探すううち、その秘密を知って…という話なのだが、ミュッソ独特の思いもかけない展開はあまりなかった。

むしろ重厚な群像劇として読むべき。